2023年版 いま買える写真用白黒フィルム全リスト:銀塩写真を撮る人へ
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銀塩白黒フィルム。 風前のともし火と言われはや10年以上。名を変え、メーカーを変え、国を変え、しぶとく生き続けています。
I'm still STANDING!!
モノクロフィルム、まだ買えます。買えますとも。2023年、約46ブランドから160種類以上!いま買える写真用白黒フィルム全部紹介!
上記の順序でアルファベット順です。
今年もまだまだ多くの白黒写真フィルムが発売されています。フィルムの銘柄数なら、むしろ年々増えてきている!AI画像生成が話題の昨今、アナログ写真の手わざプリントは新しい価値を持ってきていると思います。
とはいえ、アナログ写真市場が縮小しているのは事実です。そして実は、写真フィルムや印画紙を作ってくれているのは、世界のたったいくつかのメーカーだけなんです。数あるフィルム銘柄の多くは、メーカーが製造したフィルムを仕入れてパッケージして販売しています。それによって、ふつうは出回らないユニークなフィルムが販売されたり、ポップなパッケージでフィルムを使う敷居が下がったりするので、それはそれで良いことだと思います。
ですが、もしフィルムで写真を撮ることが好きになったら、この厳しい中でリスクを取って奮闘している製造メーカーを応援してあげることも少し考えてみてもらえると嬉しいです!
とは言うものの、Rolleiのように製造メーカー以外の名前でブランドが確立しているフィルムもあるので、なかなか判断が微妙なところもあるのですが、そこは推しフィルムを推すでいいと思います。推しフィルムは推せるときに推そう。そうじゃないと、いなくなっちゃうから!
フィルム製造メーカーについては、次の記事も参照していただければと思います。
まずは自社で写真乳剤を製造し、フィルムコーティングをしている、本当のフィルムメーカーからアルファベット順で紹介!
製造メーカーのフィルムを使うメリットは、なんといっても安定していることです。性能も供給も安定しているので、自分のデータを長く使い続けることができます。
ADOXブランド創始は、なんと1860年のドイツ!日本はまだ万延元年の江戸時代!横浜の外国人居留地に初めて写真館ができた年です。
創立は1882年のイタリア。研究、設計、製造のフルスペックを備える小規模フィルム工場です。2013年にクラウドファンディングで復活。白黒フィルムP30に続き、今年4月に新フィルム「Orto」を発売開始!
P30の商品ページ、背景写真がイタリアの映画監督フェリーニの『8 1/2』なのちょっとずるい!ですがこれには理由があります。パゾリーニ、ヴィットリオ・デ・シーカ、ロッセリーニ、そしてフェリーニという名だたる巨匠監督たちの作品はこのフィルム、P30で撮影されたそうです。往年のイタリア映画のルックを写真作品にできるのがこのFerrania P30なんですね。
和紙をベースにした手作りフィルムを展開。孤高の道を行くフランスの世界最小フィルムメーカー。
1921年創業のチェコのフィルムメーカー。
1934年創業。現在、日本で唯一のフィルムメーカー。
1879年、アルフレッド・ハーマンがロンドン北東部の町イルフォードで設立。現在は、創業者の名を冠したハーマンテクノロジー社のブランド。イルフォード/ハーマンテクノロジーは、白黒フィルムの世界シェアを大きく占めています。
映像の世紀、20世紀を造った企業と言っても過言ではないコダック。創業は1880年にアメリカはロチェスターに、ジョージ・イーストマンが写真乾板製造会社を興したときまでさかのぼります。ロールフィルムと小型カメラで写真を大衆化したことは、コダックの最大の功績のひとつです。コダックのフィルムは現在、Kodak Alarisという会社によって製造・販売されています。
もとはAGFAと同じ系統のフィルムメーカー。第二次世界大戦後のドイツの東西分割により、東側のAGFAがORWOになりました。ここ数年、ドイツの新興フィルムメーカーとして復活してきています!
ローライはご存知のようにカメラのブランドです。写真フィルムのローライは、ブランド名の使用権を持つマコ(MACO)社が、アグファゲバルト社やハーマンテクノロジー社が製造したフィルムに名前をつけて販売しているものです。品質も高く、ユニークな性能のフィルムも多くあります。
以下はハーマンテクノロジー社が製造するその他のフィルムブランドです。
かつてAGFAから販売されていたフィルムと同名だが中身は別のフィルム。イギリスのハーマンテクノロジー社製。
イギリスのハーマンテクノロジー社製。ケントメアのフィルムと似ている。
イルフォードと同じイギリスのハーマンテクノロジー社製。
イギリスのハーマンテクノロジー社製。
その他のフィルムブランド。
ISO80はShanghai GPS3のリパッケージ。ただしシートフィルムあり!
オーストリアのウィーン発の revolgはエフェクトの利いた「クリエイティブ」なフィルム専門のメーカー。
ロシアのサンクト・ペテルブルクに誕生したアナログ写真製品の会社。2017年にクラウドファンディングで資金調達し自社ブランドフィルムをリリースしました。
世界で最も洗練された白黒写真用ケミカルを開発しているSpur社。いずれのフィルムもSpurの現像液と完璧なマッチングが図られています。
ウクライナのフィルム。
まだまだ不完全なので詳細情報は随時追加していきます。もしリストにもれや誤りがありましたら、お知らせいただけると嬉しいです!
東京オルタナ写真部:info@tokyoaltphoto.com
東京オルタナ写真部では、アナログ写真ワークショップを開催しています。かっこいい写真表現のための技法を合理的に解説します。フィルムを初めて触るひとでも大丈夫。ご参加お待ちしています!
開催予定のワークショップは「現在募集中のワークショップ」のページをごらんください。
東京オルタナ写真部では、オリジナルフィルム現像液「東京パイロ Tokyo Pyro」を開発しました。ありきたりな画になる要素を排し、アナログ写真ならではの美しい画に全振りしたフィルム現像液です。
世界の写真コミュニティで話題の最新現像液「510 Pyro」よりも、はるかに美麗な画像を得ることができます。
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東京パイロについてより詳しい解説は次のページ「オリジナルフィルム現像液 |東京パイロ TOKYO PYRO」をご覧ください。