銀塩写真を始めたい人へ:モノクロフィルム編 # 7 フォマ/ FOMA

最新更新日:2020年2月27日

もしかすると、いまどき銀塩写真を始めたいひとがいないとも限らない。

万が一、そんな人がいた場合に備えて最近の銀塩写真情報をぼちぼちとまとめていきます。新品フィルムカメラ全網羅に続きフィルム編。それもモノクロフィルム。風前のともし火と言われはや10年余。名を変え、国を変え、しぶとく生き続けています。
I'm still STANDING!!

モノクロフィルム、まだ買えます。買えますとも。今回は東欧フィルム、チェコのじゃじゃ馬fomapan!

 

 

写真用モノクロフィルムの現状

 

そもそもカラーフィルムが普及した時点で、モノクロ(白黒)フィルムはまだ必要なのか?という議論もあったのではないかと思います。しかし、白黒フィルムはカラー時代を生き抜きました!それは、カラーフィルムをモノクロ画像にするよりも、最初からモノクロフィルムで撮影した方がだんぜんきれいだったからです。

デジタル時代にも同じことが言えるとは思うのですが、デジカメにフィルムを入れて撮影するわけにいかないので、フィルムカメラが衰退するとともにフィルム生産も大幅縮小されました。しかしモノクロフィルムはこのまま無くなるのか、と思いきや、国を変え、会社を変え、工場を変えて、多くのモノクロフィルムの生産はまだ続いています。

 

 

FOMA フォマ

 

今回紹介するモノクロフィルムメーカーは「フォマ」です。

創業は1921年チェコスロバキア共和国。東ヨーロッパ!社会主義一党独裁!鉄のカーテンの向こう側!

あまり詳しいことはわかりませんが、激動の世紀を生き抜いた会社であることはまちがいありません。現在は白黒フィルム(写真、映画)、X線フィルム、白黒印画紙、インクジェットプリンター用紙などを、主に輸出用に生産しています。

そんなフォマ社の訪問記はこちら。旧ソ連製の機械がいまも現役で稼働中!

"iN the JOURNEY we trUSt *"
A visit to the historic FOMA factory in Czech Republic

 

工場でフィルムを巻くおばちゃん。

 

壁に貼られたポスター。
バック・イン・ザ・USSR!

 

 fomaブランドサイト

 


 

foma RETROPAN 320

 

新登場!ぶっちぎりに変態度の高いフィルム、フォマ レトロパン /FOMA RETROPAN 320。ピクトリアリスム風の画が得られますが、使いこなすにはコツが必要です。どろのようなハイライト。全然きらきらしません。このフィルムについて下記の記事で詳しく紹介しました。

 

 

フィルム:Foma Retropan ©Yukiko Ogawa

 

  • フィルム感度とサイズ
    • 公称感度 ASA320(実際の使用はASA100程度。テストが必要)
    • 35mm、120サイズ、4x5
  • データシート(PDF)

 

fomapan100

 

じゃじゃ馬です。ていうか、ビッチです。萌え要素は一切なし。
最近、設計が変更されて、以前よりはずいぶんおとなしくなりましたが、それでもまだまだ健在です。

暗部がスコッと落っこちます。え、写ってない!なんて当たり前。じゃあ露出をのせればいいのかというと、こんどはハイライトがガリガリになります。現像時間を長くして押せばいいのかな…と。いや甘い。こんどはベースかぶりでフィルムが真っ黒に。

キャラクターのあるフィルムを愛する人にはおすすめです。私は大好きです。

 

フィルム:fomapan100
現像液:Rodinal(改)
©Kenhsi Daito

 

フィルム:fomapan100
現像液:Rodinal(改)
©Kenhsi Daito

 

フィルム:fomapan100
現像液:Rodinal(改)
レンズ:periscope 90mm
©Kenhsi Daito

 

  • フィルム感度とサイズ
    • ASA100
    • 35mm、120サイズ、シート(4x5、5x7、8x10、9x12)
  • データシート(PDF)

 

fomapan200

なんとあろうことか、T粒子フィルムです。東欧のT-MAX!
微粒子、高精細。作例を見ても、fomapan100とは明らかに性格が違います。

 

©di de on flickr
フィルム:fomapan200
現像液:Rodinal

 

©José Pedro Costa on flickr
フィルム:fomapan200

 

  • フィルム感度とサイズ
    • 200
    • 35mm、120サイズ、シート(4x5、5x7、8x10)
  • データシート(PDF)

 

fomapan400

 

fomapan100と同じ旧型乳剤です。アドックス アトマル49現像液との組み合わせも結果が良好なようです。

 

©graham vasey on flickr
フォルム:fomapan400
現像液:PMK Pyro

 

©The Cassandra Project on Flickr
フィルム:fomapan400
現像液:Diafine

 

  • フィルム感度とサイズ
    • 400
    • 35mm、120サイズ、シート(4x5、5x7、8x10)
  • データシート(PDF)

 

fomapan R 100

白黒リバーサルフィルムです。以前はスライド映写するために使われていたフィルムです。こういうフィルムが生き残っているのは東欧ならではなんでしょうか(追記:ADOXからSCALAが発売中!)。ともあれ、現在も白黒リバーサルを製造しているのはほぼフォマだけです。現像は、専用のリバーサル現像キットが販売されています。コントラストの高い独特の写り方をします。

白黒リバーサルフィルムは、写真よりも8mmや16mmの小型映画のほうがまだ需要があるかもしれません。実際、8mmフィルムのラインナップは、ダブル8スーパー8と充実しています。

映画フィルムの生産縮小は深刻なので、少しでも長く生産を続けてほしいと思います。

 

FOMAPAN R 100
Benjamin Balázs on Flickr

 

fomapan R100で撮影 (8mm)

 

  • フィルム感度とサイズ
    • 100
    • 35mm 映画フィルム(16mm、スーパー8、ダブル8)
  • データシート(PDF)

 

 

銀塩写真の最近の情報をまとめるシリーズ、モノクロフィルム編。
前世紀の遺物。風前のともし火。なんとでも言え。どっこい生きてます。
次回はアメリカのARISTA。


参考記事:銀塩白黒フィルム全リスト



 


 

ほんとうにかっこいいアナログ写真ワークショップ

 

東京オルタナ写真部では、アナログ写真ワークショップを開催しています。かっこいい写真表現のための技法を合理的に解説します。フィルムを初めて触るひとでも大丈夫。ご参加お待ちしています!

 

開催予定のワークショップ

開催予定のワークショップは「現在募集中のワークショップ」のページをごらんください。

現在募集中のワークショップ

フィルム:Rollei RPX400 現像液:ADOX FX39
ワークショップ撮影実習にて
©東京オルタナ写真部

 

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