フィルム写真の初心者向け知識を解説する初めてのアナログ写真。
今回は「フィルムの感度」について2回めです。
フィルムの感度は…実は決まっていません!組み合わせる現像液によって変わります。
露出をよく失敗するんだけど…
多くのアマチュア写真家が悩むのは露出です。現像を終えたネガから印画紙にプリントしようとすると、暗すぎて大事な質感が写ってなかったり、逆に真っ白にガリガリにとんでいたりすることがあります。
そんなときは
「ああー露出に失敗したー。露出を計るの下手だなー」
って思いますよね?
でも、自分がどう失敗したのか、わからないことってないですか?
もし失敗の原因がわからないままだと、同じことを繰り返してしまうかもしれません。
「なんで露出を失敗したのかわからない!つぎからどうすれば…」
と、そんなときは、もしかすると、実はなにも失敗していないのかもしれません。
撮影の前に知っておくこと
撮影のときに露出を決めますが、そのときに必要な情報はなにでしょう?
まずフィルム感度。そして絞りとシャッタースピードですね。
ではもし、フィルム感度をまちがえていたら?
いくら正しく露出を計測しても、出来上がった写真は暗すぎたり明るすぎたりすることになります。当然ですね。
ですから、適正な露出を計るためには、撮影の前にフィルム感度を知っておく必要があります。
「そんなの当たり前!わざわざ言われなくても!」
お、おう。そ、そのとおりです。
ではどうやってフィルム感度を知りますか?
「フィルムの感度はフィルムの箱に書いてある!」
では、もしそれが違っていたら?
正しいフィルム感度さえ知っていれば、まったく初心者でもかっこいい写真が撮れます。
暗室ではただ印画紙の露光時間を決めるだけ!不要なプリント技術でごまかさなくてもOK!
フィルムの感度はいつ決まる?
フィルムの現像は薬品(現像液)との化学反応です。この化学反応の結果がネガに写っている写真になります。では使用する薬品が異なると?反応結果も違ってきますよね。同じフィルムでも現像液が変わると現像結果は同じにはなりません。
つまり、フィルムの感度は現像液との組み合わせで変わります。
ということは、フィルムの感度が決まるのは、現像液を決めた時です!
じゃあ箱に書いてある感度は何かというと、まあ目安みたいなものです。フィルムの実際の感度は、箱の数値と同じにならないことがあります。
たとえばFoma Retropan 320は、その名の通り感度はISO320のように思えますが、私たちがテストしたところISO80~160でした(現像液により変化します)。
ほかにも例をあげると、Rollei Retro 400sは、現像液との組み合わせによっては、感度ISO40やISO80になります。もしそんな場合に、露出計を感度ISO400に設定して撮影したら…いくら露出を正しく計っても、現像を終えた写真は暗くて何も写っていないはずです。
ですから、撮影の前にフィルム感度を知っておくことはとても大切です。そして箱に書いてあるフィルム感度は目安でしかないことを覚えておいてください。
撮影の前にフィルム感度を知るには
さて、適正な露出を計るためには、撮影の前にフィルム感度を知っておく必要があるのでした。ではどうすれば知ることができるでしょう。
まず、撮影の前にフィルムと現像液の組み合わせを決めます。
つぎに、Silversaltが公開しているデータをチェック!フィルムと現像液の組み合わせで撮影感度を調べることができます。
現像データ(Silversalt)
http://www.silversalt-plus.com/TT/index.php
これで撮影の前に正確なフィルム感度を知ることができます。
現像と撮影感度についてはSiversalt以外にも販売店などがウェブサイトで情報を提供しています。しかし信用できないデータも多いため注意が必要です。
ただ、いちばん正確に撮影感度を知る方法は、自分でテストしてみることです。
テストの方法は、東京オルタナ写真部のアナログ写真ワークショップで解説しています!
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