写真について、いまさらわざわざ誰かに聞くほどでもないけれど、よくわかってないことは、誰でも意外とあるものです。
東京オルタナ写真部では「銀塩写真を始めたい人へ」と題してこれまで記事を書いてきました。しかし、フィルムや現像液選びよりも、もっとそれ以前の写真の基礎知識を解説していきたいと思います。タイトルは「初めてのアナログ写真」でいいかなと思いましたが、アナログ写真に限らない写真の基礎知識の解説になる予定です。
一眼レフカメラの仕組み
フィルムブランドのILFORDが「フィルム写真への案内」という動画のシリーズを公開しています。最初はこの動画の解説から始めていきたいと思います。第一回は、一眼レフカメラの仕組みの解説。
一眼レフカメラの仕組みの解説
被写体を反射した光がレンズに入ってきます。
光は、光量を調整する絞りを通過します。
それからミラーに反射し、接眼レンズに光を反射するプリズムへ向かいます。カメラのファインダーを覗くと見えるのはこの像です。
シャッターボタンを押すと、ミラーが上がり、その奥のシャッターが現れます。シャッターは一瞬だけ開いてフィルムを露光させます。この瞬間は、ファインダーは真っ暗になります。
露光が終わるとミラーが降りて元の状態に戻り、ふたたびファインダーで像を見ることができます。
一眼レフカメラの長所と短所
以上が一眼レフカメラの仕組みです。この仕組から分かる一眼レフの優れた特徴は以下です。
- ファインダーで見ている像と実際に写す像は同じ。(同じレンズを通っている)
- 目で見て正確にピントをあわせることができる。
- 見たとおりの構図で写すことができる。
- 実際の写り方を目で見て確認することができる。
一眼レフには短所もあります。
- 本当にフィルムに撮影されている瞬間は、眼でみることはできない。
- ミラーが上下するアクションがあるので、音や振動が大きい。
- ミラーとプリズムの空間を確保しなければならないので、大きい。
- またそれらの仕組みをカメラ側が持っているので重い。
- レンズからフィルムの間のミラーの空間を必ず確保しなくてはいけないので、レンズ設計に制限がある。
一眼レフにいたるまでのカメラの歴史
なぜこんな複雑な仕組みのカメラができたのかは、カメラの歴史を見てみるとわかります。初期のカメラの欠点を克服していく段階で一眼レフは誕生しました。初期のカメラから順番に見ていきましょう。
ビューカメラ
写真は一枚撮影するたびに、構図を確かめ、ピントを合わせて、フィルムを入れ替えて撮影する必要があった。撮影する瞬間のピントや構図の確認ができない。
ファインダー付きカメラ
実際に撮影するレンズとは別に、覗き窓をカメラに付けた(ビューファインダー)。これでだいたい構図を確認できる。後に距離計と連動する指標がついて、ピント位置合わせもできるようになった(レンジファインダー)。撮影する映像と見ている映像は違っている。ちなみにいわゆるライカMはこのタイプ。
二眼レフ
ファインダー付きカメラの進化版。撮影レンズの上にファインダー用のレンズを付けた。ほぼ同じレンズを両方に使うことで、実際に撮影する像にかなり近い像を確認できるようになった。ファインダーレンズは撮影レンズと完全に連動しているので、ピント合わせはとても正確にできるようになった。構図もほぼ正確だが、レンズの位置のズレの分だけズレている。10cmほどのズレなので被写体が遠い場合は気にならないが、撮影距離が近くなるほどズレが目立つようになる。ファインダーで見えている映像はいちど鏡で反射しているので、左右が逆になる。
一眼レフや二眼レフのレフというのはミラーで反射させているということですね。そして代表的な二眼レフカメラと言えば、ローライフレックスです。
一眼レフカメラ
実際に写す画像と同じ映像を見ることができる。画像は正対。従来のカメラの欠点を全て克服したかに思えた一眼レフ。確かに長い期間の主流ではありましたが、今後はどうなっていくでしょうか。
ミラーレス一眼カメラ
ファインダーが電気的なモニターになりました。これからの主流ですね。一眼レフの欠点を全て補うことができます。今後モニターの性能(解像度や反応速度)が向上するに従い、デジタルカメラの一眼レフはメリットが無くなるので製造されなくなるだろうと思われます。
ちなみに一眼レフカメラは英語ではSingle-lens reflex camera。SLRと略されます。二眼レフカメラは Twin-lens reflex camera。TLRとなります。
初めてフィルムカメラを買う人のために、おすすめカメラ(35mm一眼レフ)をこちらの記事で紹介しています。
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