さすがにオルタナ写真ワークショップを継続開催しているだけあって、プリント用光源をどうすればいいのか、という問い合わせを多くいただくようになりました。
わかりました。公開します。オルタナ写真専用スーパー紫外線光源の作り方!
うそです。ただの蛍光灯です。
むしろ、ただ蛍光灯を並べただけの装置なので、作り方を公開するまでもないだろうと思っていました。しかし確かに、事前にざっくりとイメージできると作りやすいですね。
まずはいちばんシンプルな作り方を紹介します。
この記事の最後に製作例と3D図面(ScketchUpファイル)を記載します。
紫外線プリンター:作り方の概要
ベニヤ板をカットして箱状の物を作り、そこに蛍光灯と安定期を配置して配線します。このサイズなら接着剤だけで組み立て可能です。
必要なもの
道具
カッター、ペンチ、圧着ペンチ、ビニールテープ、接着剤(木工用速乾、瞬間接着剤)
材料
ベニヤ板
配線材料(ケーブル、圧着端子、蛍光灯ソケット、グローランプソケット、コンセントプラグ、スイッチ)
安定器
紫外線蛍光灯(ケミカルランプ、ブラックライト蛍光灯)
作り方
- ベニヤ板はカッターでもカットできます。カットサービスにお願いしてもOK。
- ケースを組み立てます。
- 蛍光灯ソケットを配置。配線を繋げておく。瞬間接着剤でくっつける。
- グローランプソケットを配線して配置。
- 安定器を配線して配置する。
※配線のポイント
蛍光灯は並列配線です。
「電源 → 安定器 → グローランプ → 蛍光灯 → 電源」というループを蛍光灯の組み合わせごとに作ります。
電源 → 蛍光灯 → 次の蛍光灯… → 電源 と直列に配線すると点灯しません。
紫外線プリンターの使い方
- 蛍光灯は立ち上がるまでに1分以上かかります。光量が安定してから露光すると、データを一定にすることができます。
- 点灯中は直視しないように気をつけてください。
- 蛍光灯は寿命があります。光量が落ちてきたら交換してください。
- 蛍光灯は温度が上がると寿命が短くなります。点灯中はケース内を換気して温度を下げるようにすると蛍光灯の寿命が伸びます。小型のファンで送風してもいいですし、ケースにパソコン用のファンを付けることもできます。リレースイッチを付けると、点灯スイッチとファンを同期させることができます。
- リレースイッチを付けるならタイマーも…となりますが、光量が安定するまで立ち上がりの時間が必要なので、タイマーまで内蔵する必要はないと思います。そもそも露光時間が数分になるので数秒の誤差は問題ありません。
- グローランプは電子式をおすすめします。点灯までの時間が短く、蛍光灯の寿命を伸ばします。
- 焼き枠も使用できますし、ウレタン板にガラスを重ねたものを衣類圧縮袋に入れて減圧するとバキュームプリンターになります。(露光途中の露光量の確認は難しい)
- 露光時間はテストする必要がありますが、サイアノタイプで最大暗部を得るためには7分かそれ以上の露光時間が必要です。
オルタナ写真のプリント以外にも、シルクスクリーン、日焼け、消毒、虫集め、偽札判別、ネイルアートなどに使えます!(たぶん)
紫外線プリンター製作例
主な材料
露光部
- ベニヤ板
- 497mm x 470mm (5mm厚)475mm x 166.5mm x1p (2.5mm厚)497mm x 166.5mm x2p (2.5mm厚)475mm x 86.5mm x1p (2.5mm厚)
2.5mmベニヤ板 採寸例
- 紫外線蛍光灯 15w x 7本
- 安定器(15w)
- グローランプ(電子点灯管がいい)
- グローソケット
- 蛍光灯用ソケット
- 配線部材
- ケーブル
- コンセント
- スイッチ
- ガラス板 320mm x 455mm 3mm厚
- ベニヤ 320mm x 455mm 20mm厚
- スポンジ板 320mm x 455mm 20mm厚
- ゴムバンド
- 衣類圧縮袋
使い方:
- 下から、ベニヤ、スポンジ板、感光化した紙、ネガ、ガラスの順に重ねてゴムバンドで留める。
- ネガがずれないように衣類圧縮袋に入れて密封し、掃除機で減圧する。
配線方法
- 配線の方法は下記を参照。
- 下記の配線図で1本の蛍光灯が点く。この配線セットを7セット作り並列につなぐ。
- 直列でつないでしまうと点灯しないので注意
組み立て方法
- そんなに重くならないので、すべて接着剤でくっつければOK。
材料の購入先
- オーダーガラス.com http://www.order-glass.com/
- アカリセンター http://www.akaricenter.com/
- このファイルを開くには「Sketchup」が必要です。「Sketchup」は以下のサイトからダウンロードできます。