はい、今日のメニューは鶏卵紙です。
だいたいキッチンにあるもので作れる鶏卵紙。
ふんわりこげ茶色がおいしそうですね。
待ち時間を利用して、サバのスモークも一緒に作ってみました。
両方作ってホームパーティーなどに持っていくと、なかなかよろこばれます。(実話)
☆鶏卵紙の材料:
卵 10個くらい
酢 少々
塩 適宜
紙 (今回は極薄の雁皮紙を使用)
硝酸銀
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それでは鶏卵紙の作り方です。
プロセス写真入りでどうぞー。
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鶏卵紙(アルビューメン・プリント)は19世紀半ばに発明された古い写真の技法です。安定して美しい画像を得られるため、ゼラチン印画紙が登場するまで長く使われました。
よく知られている写真にも鶏卵紙でプリントされたものが多くあります。
第16代アメリカ大統領 アブラハム・リンカーン
撮影:マシュー・ブラディ 1860年頃
幕府の遣欧使節団とスフィンクス
撮影:アントニオ・ベアト 1864年
外国人向けのお土産用に作られた着色写真
明治時代
「東京百美人」 撮影:小川一真 1891年
ああー、なんか昔の写真。どこかで見たことがありますね。
では作ってみましょう。
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卵です。
割って、黄身と白身に分けます。使うのは白身だけです。
残った黄身は、クッキーとかアイオリソースとか練り味噌とか照り焼きのつや出しなどにお使いください。
塩を入れます。
酢を入れて、泡立て器でホイップします。要はメレンゲですね。
ホイップしたらしばらく放置します。その間にダンボール箱でスモーカーを作って、サバの一夜干しをスモークします。
泡がつぶれて無くなってきたら、残った泡をスプーンやスパチュラを使って取り除きます。
キッチンの排水ネットを使って、卵白液をこします。
卵白液を紙に塗ります。ハケで塗ってもガラス棒でのばすように塗っても構いません。
今回は極薄の和紙(手漉き雁皮紙)を使ったのですが…紙が薄すぎてうまく塗れない!
…塗り方を変えることにしました。
バットに卵白液を入れて、その上に紙を浮かせるようにそっとのせて引き上げれば、きれいに塗れました。
干します。
乾いたら、今度は硝酸銀溶液を塗ってまた乾かします。
硝酸銀溶液を塗ると感光性が出るので、ここからは暗室作業になります。だからプロセス写真はなし。残念。
硝酸銀溶液が乾いたら、鶏卵紙の完成。ネガを乗せて露光します。
今回使ったネガは…
これも古典技法のガラス湿板写真(ウェット・プレート・コロジオン)で撮影したネガです。
ガラスの写真です。
テスト露光。
おお、画像が出てる、出てる。
紙があまりに薄いので、透けてますね。
では本番のプリント。
乾かして完成。
よれよれを直すには、重しを乗せたり、アイロンをかけたり、裏打ちしたりして平らにします。
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というわけで、鶏卵紙はけっこう簡単です。
プリント作業をしているうちにサバのスモークも完成。
友人のホームパーティーに両方持って行ったら、なかなかウケました。
これからは、お呼ばれには手作り鶏卵紙プリントとスモーク(薫製)ですね。
鶏卵紙ワークショップも行いますのでご興味のあるかたはご連絡ください。
スモークの作り方&残った卵黄で作る料理もあわせてご指導いたします。
(ご希望の方はワインご持参でどうぞー。)