初めてのアナログ写真、今回は「フィルムのサイズの違い」についてです。

フィルムのサイズと形(フィルムフォーマット)

今回もまずはILFORDの動画シリーズ「フィルム写真への案内」から見ていきます。

Introduction to Film Formats - A guide from ILFORD Photo
フィルムは形によって3種類に分けられます。

35mmフィルム(135フィルム)

フィルムは遮光性の容器に入っているので明るい場所で扱うことができます。これは35mmフィルム。「135フィルム」と初期の用語で呼ばれることもあります。
35mmフィルムには24枚撮りと36枚撮りがあります。1コマのサイズは24mm×36mmです。ちなみにデジタルカメラでいう「フルサイズ」とは、センサーがこの大きさだという意味です。1920年代に映画フィルムを写真に流用したのが、このサイズの始まりです。

120フィルム

次に120フィルム。中判、ミディアムフォーマット、ブローニーサイズとも呼ばれます。1コマのサイズと撮影枚数はカメラによって変わります。
120サイズのフィルムは遮光性の紙と一緒に巻かれています。この紙の裏には標準的な画面サイズのコマ数が書かれています。昔のカメラには裏蓋に窓があり、このマークや数字を目で確認しながら巻き上げて使用していました。現在製造されているフィルムにもこのマークは記されています。
120サイズのフィルムの標準的なフォーマットと撮影枚数は次のとおりです。これらはカメラによって変わります。
  • 6cm×4.5cm、16枚
  • 6cm×6cm、12枚
  • 6cm×9cm、8枚

シートフィルム

シートフィルム。大判フィルムとも呼ばれます。このフィルムは1枚ずつ準備して撮影します。暗室の中でも裏表を判別できるように、ノッチと呼ばれる切込みが入っています。ノッチが右上に来た時、手前側が撮影する側(乳剤面)です。シートフィルムのサイズは標準的なものに4×5インチ、8×10インチなどがあります。
シートフィルムは撮影前に一枚ずつフィルムホルダーに入れておく必要があります。この作業は暗室で行います。
そして撮影する時にカメラにフィルムホルダーを装着します。一枚撮影するごとにホルダーは入れ替えます。

フィルムサイズが変わると何が変わるのか

フィルムサイズが変わると何が変わるのでしょうか。まずふつうはフィルムサイズが大きくなるとカメラも大きくなります。つまり扱う機材がどれも大きくなります。

ここで少し注意が必要なのは、男子は何かにつけてサイズにこだわるのが大好きだという点です。フィルムサイズが大きいと写真は美しい、大きなカメラで撮るといい写真が撮れる。写真好き男性諸氏を中心によくこのように言われていますが、必ずしもそんなことはありません。

フィルムサイズが変わって変化するのは得意な表現分野です。毛筆と製図ペンの違いと言えばイメージしやすいかもしれません。あえて言うと、35mmサイズは画の全体を力強く描くのに対し、中判〜大判サイズのフィルムは細部を緻密に描写することに優れています。この違いを理解せずに大きなフィルムサイズに替えても、出来上がった写真はむしろかっこ悪くなることさえあります。大事なのはフィルムの大きさではなく、自分の作品に合った表現を選ぶことです。

これはまた、同じブランドの同じ種類のフィルムでもサイズが変わると表現の質が変わることを意味しています。なぜそんなことが起こるのか、フィルムの表現の違いをどう理解してどう使えばいいのかについては、東京オルタナ写真部のアナログ写真ワークショップで詳しく解説しています。

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