なぜ露出のワークショップ?
東京オルタナ写真部では、いろいろな切り口でアナログ写真のワークショップを企画して開催していますが、現在、露出のワークショップが充実しています。
なぜ露出?写真なんか明るいか暗いかでしょ?オートで撮影するか、露出計で測ればいいだけじゃん。それに暗室でプリントのときに明るさを調整すればいいわけだし。わざわざ露出のワークショップなんかしなくても…。
わかる。まあわかる。もし写真が写ってればそれでOK!なレベルの話なら、それで問題ないんです。だけど、フィルム写真はなかなかそうはいかない。たとえば、白黒フィルムでかっこいい写真を作りたい!という場合は、露出の問題はぜんぜん意味が変わってくるんです。
そもそも露出の失敗とは?
フィルムも値段が高いのに、露出で失敗している場合じゃない!そのとおり!でも、露出の失敗ってなんでしょう?
露出の失敗の原因はたくさん考えられますが、失敗の結果は2つに分けられます。
- その1:「写っていない」
あ、何も写ってない!失敗した!これは見ればすぐわかるのでわかりやすいですね。しかし、実は露出の失敗にはもうひとつ種類があります。
- その2:「かっこよく写っていない」
プリントした写真を見て「あれ、なんか思ったのとちがう…。」写真がかっこよくならないのは露出の失敗?そうなんです。それ、露出の問題の場合があります。これは知ってないとわからないですね!
これも原因はいろいろなパターンがあるのですが、最近興味深かったのはILFORDの公式サイトが紹介していた写真家Maria Bruunさんの作品。
すてきな作品です。しかしそれはそれとして、この写真の光の描写はどうでしょうか?写真家の狙いどおりの仕上がりになっているでしょうか?
少し想像してみてください。写真家はこの写真を撮影するにあたって、美しい緑の木立を背景に選んだはずです。しっとりとしたテクスチャーに満たされた木立を背景に、自然なポーズをとるモデル。おそらく、この撮影風景の肉眼での見た目はそのようなシチュエーションだったと想像できます。
しかし、実際にフィルムに写った写真は、背景の葉が非常にきついコントラストになってしまっています。とくにモデルの頭上から画面左側に顕著ですね。葉の明るい部分は白飛びしていて、しかも白飛び部分の形が悪く、ごちゃごちゃとしてしまっています。背景に強い直射日光が当たっているわけではないのに…。
この白飛びは写真家が意図したものではなかったでしょう。写真家はもっと「絵画的」な質感描写を期待していたはずです。(ちなみに、この白飛びはフィルムにこのように写ってしまっているので、プリント作業での救済はできません。)
実は、これとまったく同様の白飛びは、私たちのワークショップの撮影実習でもよく目にします。
肉眼で見たときはしっとりとしていたディテールが、フィルムに撮ると、きたない白飛び混じりのごちゃごちゃのかたまりになってしまうのは、なんで!?見た目ではきれいな風景を撮ったはずなのに、アンセル・アダムスやマイケル・ケンナみたいにならないの、なんで!?
これも広い意味では露出の問題なんです。露出がわかれば完全に解決します。そしてアダムスやケンナのように、見た目以上に美しい絵画的なテクスチャーを写真に写すことができるようになります。
ふたつの露出ワークショップ
現在、東京オルタナ写真部では、2つの露出ワークショップを開催しています。どちらも似たようなタイトルなのですが、内容はかぶっていません!全然異なるワークショップです。ただ、どちらもとても充実した内容なのは同じです。
絶対に失敗したくないアナログ写真露出ワークショップ
「絶対に失敗したくないWS」は、目に見える光と写真に写る光の違いを解説し(たとえば青色はフィルムにはよく写るが肉眼にはあまり見えていない)、写真撮影のための露出計測を実践的に学びます。
そしてさらに「露出の失敗」が意外なほど広い範囲にわたっていることも解説します。そのうえで、露出の失敗につながる要素をぜんぶつぶしていきます!
アナログ写真 露出完全攻略ワークショップ:センシトメトリー
「露出完全攻略WS」は、フィルム感度とコントラストを完璧に把握するためのテスト方法、センシトメトリーのワークショップです。こちらもおそらく過去に他に例のない内容です。
こちらは「ゾーンシステム」をふまえたアドバンストクラスになるため、基礎クラス「いきなりかっこいいアナログ写真WS」のほうを先に受講されることをおすすめします。
表現のための「攻める露出」
アナログ写真、とくに白黒写真フィルムのかっこよさは、実は露出に大きくかかっています。写真の美しさの表現は露出次第と言っても言い過ぎではないくらい。
東京オルタナ写真部のワークショップは、ただ写っているだけではなく、表現のための攻める露出を解説していきます!
開催予定のワークショップは「現在募集中のワークショップ」のページをごらんください。
オリジナルフィルム現像液 |東京パイロ TOKYO PYRO
東京オルタナ写真部では、オリジナルフィルム現像液「東京パイロ Tokyo Pyro」を開発しました。ありきたりな画になる要素を排し、アナログ写真ならではの美しい画に全振りしたフィルム現像液です。
世界の写真コミュニティで話題の最新現像液「510 Pyro」よりも、はるかに美麗な画像を得ることができます。
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東京パイロについてより詳しい解説は次のページ「オリジナルフィルム現像液 |東京パイロ TOKYO PYRO」をご覧ください。