インターナショナル・ライクススタジオ・アウォード
オランダ国立博物館(Rijks Museum /ライクスミュージアム)はフェルメールやレンブラントなどの17世紀オランダ絵画のコレクションで有名です。その国立博物館ですが、毎年、収蔵品をテーマにしたデザイン作品の国際コンテストを開催しています。
2017 International Rijksstudio Award
プロダクトデザインにかぎらず、映像やパフォーマンスもOKという懐の深いこのコンテスト、今年2017年は62カ国から2600作品以上の応募があったそうです。そしてその中で最優秀作品に選ばれたのは「名画は眠らない」という名前のアイマスク。
絵に描かれた人物の目の部分がプリントされたアイマスクです。怖い。もしベッドの隣でこれを付けて眠っている人がいたら軽く悪夢です。
今年のその他の最終選考作品(トップ30)はこちらで見ることができます。
デルフト焼きの模様が入ったコンタクトレンズ。(これは青い目の人専用ですね。)
レンブラント「夜警」の寝間着。"The Night Watch"の" Night shirt"というしゃれ。
などなど、ちょっと自由すぎる作品ぞろいです。しかしその中でもひときわ異彩を放っている作品がありました。ドイツの写真家カール・ブロスフェルトの写真作品にインスパイアされたという「植物研究の帽子」!
この作品が収録されている写真集は『芸術の原型』(Urformen der Kunst, 1928年)。人間的な物の見方を排除し、カメラの機械/装置としての性能を強調した植物写真集です。
現実離れしたクローズアップにより、植物をまるで工業製品のように撮影した写真作品。手作業で表現するのではなく、即物的な冷徹さで植物を写すことで、伝統的な美のあり方に大きな衝撃を与えました。旧来の人間観から解放されたこの作品を、さらに今度は柔らかニット帽をかぶった人間が体をはって再現。さらにもっと攻めてます!でも、ぐるっと一周回ってしまったので、帽子の形以外はわりとふつう!
この帽子を作ったのはイギリスのJessie Hallさん。なんとこのコンテストで3位を受賞したそうです!おめでとう!2位はエデンの園コンドーム。デルフト焼コンタクトレンズは観客賞でした。ちなみに写真のモデルはJessiさんの、おじさんとおばさんと甥っ子に犬だとこのことです。
入賞作品は製品化されてミュージアムショップで販売されたりするのでしょうか?もしこの帽子が売ってたら、か、買うかな?買います。買いますとも(かぶるとは言ってない)
Taschen