次はホメロスの『オデュッセイア』を読みます。

写真とアートをめぐる東京オルタナ写真部読書会。ここまで、写真論、美術批評、表現の自由に関する本を読んで来ましたが、何を読んでも行き当たるのがギリシャ神話。どっちを向いてもギリシャ神話。そんなに言うなら読んでやる!と、始まったギリシャ神話読書会。いよいよ第3弾。次はホメロス『オデュッセイア』です。ナウシカ、出てきます。『オデュッセイア』ホメロス Odyssey: Homerここまで読んだ2冊ですっかりおなじみになったオデュッセウス。英雄にして策士。彼がめっちゃ苦労します。10年におよんだトロイア戦争が終わり、や...

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写真とアートをめぐる東京オルタナ写真部読書会
ここまで、写真論、美術批評、表現の自由に関する本を読んで来ました。

ホメロス『イリアス』から始まったギリシャ神話シリーズ。次に読む本は"The Song of Achilles"です。ギリシャ古典の二次創作BL(ボーイズラブ)最前線!

 

写真グループがギリシャ神話を読む理由

写真グループの読書会なら写真論とかアートの本を読めばいいじゃん。そのとおり。読んできました。

しかし写真やアートや表現の自由に関する議論を読むといつも行き止まりのようなものを感じていました。それが「ギリシャ文化」です。

超ざっくり言うと、アートや思想は、「これが、こうなって、こうじゃ!」という話をしています。本を読んでいるうちに、どうやら最初の「これが」がギリシャ文化らしいと気がついたわけです。

ギリシャ文化を知らないと、①これが②こうなって をわからないまま ③こうじゃ!の話しかできない。だからいまいち釈然としない。当然!

先日『イリアス』を読み終えて初めてわかったことですが、ギリシャ神話を読まずに「アートとは…写真とは…」と考えたり話したりすることはなかなかしんどいことでした。いやー、読んでよかった!

まだまだしばらくギリシャ神話読書会は続きます。次は "The Song of Achilles"です。

 

『ブリセイスを譲るアキレウス』
手前の人物左から アキレウス、パトロクロス、ブリセイス
ポンペイの悲劇詩人の家のフレスコ画
紀元1世紀 ナポリ国立考古学博物館

"The Song of Achilles" Madeline Miller

『イリアス』読書会にて、主人公アキレウスとパトロクロスの二次創作BL(ボーイズラブ)が話題になったのですが、すでにプラトンの哲学対話『饗宴』にそのネタがあるとのことで探してみました。

そうしたら、「もし二人が同性愛だったら?」どころの話ではなく、どっちがタチ・ウケかという議論が白熱していて白目むきました。紀元前5世紀、初心者お断りかよ!
(正確には、どっちがエラステスでエロメノスかという議論です。)

そして時代はくだって現代。『イリアス』をパトロクロスの視線で描きなおした小説 "The Song of Achilles(アキレウスの歌)"。

もちろんボーイズラブ設定!

TikTokのブックレビューで人気に火が付き大ヒットした本です。イギリスの文学賞(女性小説賞)受賞作品。

TikTok #songofachilles
https://www.tiktok.com/tag/songofachilles

というわけで、次はこの本を読みます!7月中旬ころから。ご参加お待ちしています!

A tale of gods, kings, immortal fame, and the human heart, The Song of Achilles is a dazzling literary feat that brilliantly reimagines Homer’s enduring masterwork, The Iliad.

 

開催日程

2022年8月スタート
毎週土曜日 18:00から開催。
読み終えるまで開催します。

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  • 開催方式
    • オンライン開催を予定しています。
    • 状況をみて対面とオンラインの同時開催も行います。
  • 参加費:カンパ(500円/月 程度)
  • 進行:大藤健士

 

読書会へのご参加について

「本やメディアで話題になる作品が評価されるべき作品だ」
あるいは
「作品の評価は自分の好き嫌いの感覚で決めていい」

このどちらの見方も、一般的にアートを評価する方法だとふつうに考えられています。しかしこのどちらも結局は場当たり的な言葉しか生みません。そして場当たり的な気持ち良い言葉を多くの人が使い始めると、ていねいに切実に見て考えようとする態度は抑圧されていきます。

場当たり的な言葉に覆い尽くされてしまうと、私たちはほんとうに自分にとって大切なものについて考える言葉を持てなくなってしまいます。東京オルタナ写真部のアート批評ワークショップと読書会は、切実なものを考えるための言葉をつかみ直すための試みとして始まりました。これは、多数を頼みにした安全な場所から発せられる言葉に抗いながら、自分の言葉を見つけていく挑戦とも言えます。

私たちの読書会批評会はどのような人にも開かれています。ただ参加にあたっては、意味のある議論へのリスペクトをお願いしています。と言っても、難しいことではありません。言葉でなんとでも言うのではなく、意味のあることを話し合い、いっしょに考えていきましょうというお誘いです、もし参加にあたってご質問などがありましたら、お気軽にお知らせください。

info@tokyoaltphoto.com : 東京オルタナ写真部メール

私たちの読書会と批評会については、こちらのブログ記事もご参照ください。

アート批評ワークショップと読書会 先日のアート批評ワークショップでサロン画(アカデミック絵画)を取り上げた参加者の方が、SNSで感想を書いてくれました。転載の許可をいただいたので、紹介したいと思います。  美術に対する恐怖感から解放される  美術館に行って絵を見るのが恐かったわたしを、解放してくれた東京オルタナ写真部のアート批評ワークショップと読書会。 「絵を見るのが恐い」なんていうと、みんな「こわがることなんてないよ。好きだと思うものを見ればいいし。いいなぁとか自分が感じるように感じればいいん...