深い青が美しい古典写真技法のサイアノタイプ。
そのサイアノタイプを手製本に仕立てるワークショップを行いました。

 

 


海外では、オルタナティブ写真を用いて制作をしている手製本作家はいるようですが、製本作家の内田由紀子さんによると、国内ではまだほとんど前例がないようです。
それに、写真家は自分の手がけたプリントは大事に額装することはあっても、切って穴を開けて直接手に触れる作品にするというようなことはまずありません。
そのようなわけで、製本家にとっても、写真家にとっても、オルタナティブ写真の製本はかなり刺激的な挑戦だったと思います。

写真のプリントと製本で合わせて6時間程度の作業になるため、ワークショップは一日がかりでした。

休憩もそこそこに、長時間の作業の末に完成したものは、驚くほど美しい作品でした。
私自身、あれほど見事なものができあがるとは予想していませんでした。
まだ名前のつけられていないものを作ってしまったように感じました。

参加者のみなさんと感動を共有できたことはとても幸いでした。
このように言葉にすると大げさに響いてしまいますが、ワークショップが終了した時は
そのようにしか言いようの無い感慨を覚えました。

今後もオルタナティブ・プリント・ワークショップを継続していきたいと思います。


 

今回は、ワークショップ用に制作した紫外線光源で露光。
ピクトリコTPS100に出力したデジタルネガを、手製の印画紙に露光。

 

減圧にかかる時間がおそらく世界最短の、超高性能バキュームフレームは、今回も大活躍。
私は試したことはありませんが、布団圧縮にも使えるそうです。

 

サイアノタイプは表面処理をして完成。

 

次は製本の工程へ。
製本は、写真とはまた違う緻密な手作業が続きます。

 

完成したばかりの美しいプリントを、切り、穴を開けていきます。

プリントを傷つけるなど、ふつうは写真家にとっては考えられない行為です。

 

完成。記念撮影。

 

 

手漉きの和紙に感光液を塗布して印画紙を作り、プリントし、製本。全て手作業。
誰も見たことがないような美しい作品が完成し、感動しました。

 

美しいものを自分の手で生み出すのは、何にも替えがたい喜びがあります。

とても幸福なワークショップでした。

ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

 

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