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写真とアートをめぐる東京オルタナ写真部読書会。
ここまでロラン・バルト、ケネス・クラーク、ヴァルター・ベンヤミンと読んできました。
今回取り上げるのは遠近法ー透視図法についてです。
透視図法は「正確」なのだろうか?
自然に見えるとはどういうことか
少し前ですが、『となりのトトロ』が正確な透視図法で描かれていないことが話題になりました。
透視図法といえば、学生の頃、トトロのレイアウトに定規を当てたら一点透視のはずなのに消失点が2つあって、これはどういうことなのかとかなり悩んだ記憶がある pic.twitter.com/aaJyuM3kRE
— 政一九 (@Masa_Ikku) May 28, 2019
アニメの作画では、正確な透視図法ではなく、カメラのレンズに特有の歪みをあえて取り入れる手法もしばしば見られます。
透視図法は正確に図を描写する方法として、いまでは当然のものとして受け止められています。もちろん写真も透視図法に従っています。透視図法を無視した写真というのはふつうには存在しません。
しかし実は人間の視覚と正確な透視図法はかならずしも一致しない、というのが本書の主題のようです。
人間の目に「自然」に見えることと、正確な透視図法は一致しない。では自然に見えるとはどういうことなのか、遠近法や透視図法を発見したとき人々は何を体験したのか。この本は、こういった疑問を考える入り口になるのではないかと思われます。
エルヴィン・パノフスキー『象徴形式としての遠近法』
開催日程
9月26日(土) 18:00〜
毎週土曜日 18:00から開催。読み終えるまで開催します。
オンラインでの同時開催もいちおう予定しています。(確定していません)
参加方法
参加希望の方は以下の申し込みフォームよりお申し込みください。
英語訳
ドイツ語
著者名が異なるのですが、パノフスキーの本文が収録されているのかちょっと不明です。
読書会へのご参加について
「本やメディアで話題になる作品が評価されるべき作品だ」
あるいは
「作品の評価は自分の好き嫌いの感覚で決めていい」
このどちらの見方も、一般的にアートを評価する方法だとふつうに考えられています。しかしこのどちらも結局は場当たり的な言葉しか生みません。そして場当たり的な気持ち良い言葉を多くの人が使い始めると、ていねいに切実に見て考えようとする態度は抑圧されていきます。
場当たり的な言葉に覆い尽くされてしまうと、私たちはほんとうに自分にとって大切なものについて考える言葉を持てなくなってしまいます。東京オルタナ写真部のアート批評ワークショップと読書会は、切実なものを考えるための言葉をつかみ直すための試みとして始まりました。これは、多数を頼みにした安全な場所から発せられる言葉に抗いながら、自分の言葉を見つけていく挑戦とも言えます。
私たちの読書会と批評会はどのような人にも開かれています。ただ参加にあたっては、意味のある議論へのリスペクトをお願いしています。と言っても、難しいことではありません。言葉でなんとでも言うのではなく、意味のあることを話し合い、いっしょに考えていきましょうというお誘いです、もし参加にあたってご質問などがありましたら、お気軽にお知らせください。
tokyo.alt.photo@gmail.com : 東京オルタナ写真部メール
私たちの読書会と批評会については、こちらのブログ記事もご参照ください。