其の名は、エスプリ・ド・サムライ②:アナログ写真の逆襲

 

其の名は、エスプリ・ド・サムライ①から続く


だいとうの暗室作業は、夏になると過酷を極める。



室温30度以上、湿度80%。
エプロンに防毒マスクにゴーグルにゴム手袋。曇るゴーグル、したたる汗。
となると、結果はあれしかない。裸エプロン。


だから…それが必要だった。
そう、其の名は、エスプリ・ド・サムライ。

 


暗室用 越中ふんどし「エスプリ・ド・サムライ

室温30度以上、湿度80%、防毒マスクにゴーグル、ゴム手袋、エプロン。夏になるとだいとうがそんなことになっている理由は、暗室にエアコンが無いから。そしてそんな暗室で古典技法でプリント制作をしているからだ。

ともあれ、あまりのことに裸エプロンで作業をすることになる。防毒マスクで裸エプロン。守る場所の優先順位や人としてどうなのか、それは。ブリーフだからいかんのだ。それではパン一ではないか。半裸に防毒マスクにエプロンをして、ますます冴える男の身だしなみ。
夏仕事のクールビズ。
きりりと締め込んだ男の気合い。
オルタナティブ写真家の心の盛装。

暗室専用越中ふんどし「エスプリ・ド・サムライ」!

 

 

この前代未聞の写真グッズを作ったのは「フォトシャトン」。といっても田亀源五郎のイラストのような店主がいるわけではない。代官山のおしゃれアンティークショップと言ったほうがイメージは近い。

 

フォトシャトンは1974年以前に製造された写真器材を扱う店として3年前にオープン。とは言うものの「1974年以前に製造された写真器材を扱う店」などいくらでもある。中古カメラ屋全てがそうだろう。しかしフォトシャトンが他と全く違うのは、19世紀の写真器材を扱う店だということだ。

ヨーロッパやアメリカでは、19世紀の写真器材は比較的簡単に手に入る。扱っている店も多い。しかし日本の中古カメラ屋は、1930年代のライカ以降のカメラしか扱わない。せいぜい1920年代のホールディングカメラをインテリアにどうぞと置くくらいだ。いまも使用に耐える前世紀の湿板写真用カメラやレンズを、アフターケアを保障しながら売る店というのは、日本には存在しなかった。

店にならぶ機材を見ていると写真のトータルな歴史性を具体的に感じることができた。

自分はフォトシャトンで「カルト・ド・ヴィジット」用カメラのレンズ(ペッツバール・タイプ)を買ったことがある。レンズはただの真鍮の筒だ。そのレンズがついていたカメラは、こんなカメラだったはずだ。

カルト・ド・ヴィジット カメラ

この奇妙なカメラは、1890年代にヨーロッパで大流行した名刺写真(カルト・ド・ヴィジット)を撮影するためのカメラだ。カルト・ド・ヴィジットは、要は19世紀末のFacebookだと言える。ヨーロッパではよく見かけるのかもしれないが、日本ではかなりの珍品ではないだろうか。

いつか手頃な湿板カメラを買おうと思っていたのに、どうしてくれる。それにあれだ、あれ。暗室用ふんどし!あれ、要るだろう。自分。数日前に、フォトシャトンが来月で閉店することを知った。

そんなわけで早速、念願の暗室用ふんどしをフォトシャトンに買いに行って来た。

暗室用 越中ふんどし「エスプリ・ド・サムライ」開封の儀

フォトシャトン 暗室用ふんどしエスプリ・ド・サムライ
L’esprit du samouraï
 
フォトシャトン 暗室用ふんどしエスプリ・ド・サムライ
暗室用。ほんとうに書いてある。
 
フォトシャトン 暗室用ふんどしエスプリ・ド・サムライ
越中褌なので長さは約1m。
 

着用感は…まあ、あれだ…。
その…なんというか…
素晴らしい。

 
 
 
 

「これ締めて蘇民祭に参加してください」とにこにこおっしゃる、おしゃれな店主の井上さん。

「このふんどし、最初に買ったのは女性。とてもきれいな美少女だったんですよ。さっそく着用してますって連絡もらいました。」

…田亀源五郎じゃなくて、団鬼六ですか。そうですか。

フォトシャトンは2月21日閉店予定。

間に合わなかったことを後悔する前に、ぜひ一度来店してみてください。

fotochaton フォトシャトン
フォトシャトンtel 03.6416.3465
東京都渋谷区恵比寿西1-30-9(A)
13時~19時(水曜、木曜日定休)

 

 

 

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