Rockと20ドルのカメラで自由に生きるのだ。


とつぜんですが、Pixies(ピクシーズ)というバンドご存知でしょうか?

Pixiesは1980年代の終わり頃、初期のオルタナティブ・ロックシーンで活躍したバンドです。ニルヴァーナ、U2、レディオヘッドなんかに影響を与えたとされています。(Wikipedia参照)

このPixiesのアルバムカバーの写真で一躍有名になったのが、写真家Simon Larbalestier氏です。彼の写真は、Pixiesが所属する4ADレーベルの初期のビジュアルを決定づけたといってもいいと思います。

実は、だいとうはSimon氏のオリジナルプリントを1枚購入して持っています。


Pixies "Monkey gone to heaven" ♪

もちろんサイン入り♪

Simon氏、世界的に有名な写真家なんですが、意外に気さくなところがあって、プリントを購入したときにファン丸出しメールを出したら、きちんとお返事をくれました。

しかしそこで、プチ衝撃的事実が発覚したんです…。

Simon氏は近年、カンボジアに取材した写真作品を制作しています。そのシリーズのうちのいくつかの写真、たとえばこれとか…少し妙な写りかたをしていると思いませんか?とくに写真の右下あたり。

 

それにこれも。

 

Simonにどんなカメラ(レンズ)で撮影したのかメールで聞いてみました。
そうしたら、なんと。

おもちゃのカメラ(トイカメラ)で撮影していたんです!

Simonが作品の撮影に使ったのはHOLGA120S。
いや、おもちゃですよ、おもちゃ。
たった20ドルのおもちゃカメラ!

なんですか、この自由さ!かっこよさ!
やっぱりAlternative Rockな写真家は、作品作りもオルタナティブです。

カンボジアシリーズの他の写真にも、いくつかHOLGAで撮影したと思われる写真がありますが、どれも夢と現実が入り混じったような幻想的ですばらしいイメージです。

ところで、SimonがおもちゃカメラのHOLGAを使うのは、奇をてらっているからでも、マニアックだからでもありません。HOLGAじゃないと写せない写真があるから、HOLGAを使っているんです。
って、そんなこと、わざわざ言うまでもないほど、あたりまえのことだと思いませんか?

ちなみに、HOLGAのこと以外でSimonのプリントを見てわかることは…
・白黒Filmで撮影して、Pyro系の現像液でFilm現像。
・銀塩モノクロ印画紙(もちろんバライタ紙)にリスプリントというテクニックでプリント。
・さらにトーニング(たぶんセレン調色)をして仕上げ。

…という感じです。

どのプロセスも、Simonにとって必要なことを、必要だからやっているに過ぎません。

でも、もしいまSimonと同じ方法で写真を作ったら日本ではまちがいなく「マニアックだねー」って言われます。だいとうもいつも言われています。マニアックだねー。って。

言った方は気がついていないと思うんですが、だいとうは、実はそう言われるたびに心の中のRockな何かにちょっと火が点くんです。

マニアックなんじゃないんです。
自由なんです。

だから、
Alternative Photographyなんです。

 

 

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